霊媒ドローイングはおそらくどこか原始的で、基本的で、根本的なものであり、そして、同時に芸術よりはるかに自然なものであろう。
ヤン・シュヴァンクマイエル『空のセール』(2000年) 翻訳:ペトル・ホリ
自動描画、或いは霊媒ドローイングとは「受身」になって己の中に響くこだまに耳を澄ますことである。瞑想の時のように、頭脳を最大限に明晰にすることを要する。 開放を深くすればするほど描いているのはなんと、あなた自身ではないのだと、より実感するようになる。あなたの手はあなたの意志を離脱したかのように、自由満帆に動きだすのである。その手は、あなた自身が作用するものではない、我々には未だ未知の、明確な意味を持つ何かに導かれ、作成されるものである。
霊媒ドローイングはスピリティズムにおける精神的な世界を糧とする。ということは、画を描く霊媒の手はその意識によって作用されるのではなく、宇宙の境界線をしばしば超越する、死者の広大な地下世界によって作用されるのである。
ヤン・シュヴァンクマイエル『贖いの路』(2018) 翻訳:ペトル・ホリー